〜 正解と解説 〜
クイズ! 税金ゼミナール2024 正解と解説
問題1国税庁では、20歳未満の方の飲酒防止に関する啓発や指導も行っています。
20歳未満の方がお酒を飲むことや、大人が20歳未満の方にお酒を飲ませることは、法律で禁止されていますが、その法律とは次のうちどれでしょう?
①未成年者飲酒禁止法
②未成年者飲酒防止法
③未成年者飲酒抑止法
解答 ①未成年者飲酒禁止法
未成年者飲酒禁止法は大正11年に制定され、20歳未満の飲酒の禁止や、20歳未満の者に対して飲酒することを知りながら、酒類を販売又は供与することを禁止する法律で、違反した場合は50万円以下の罰金が課されることとされています。
未成年といえば、令和4年4月から民法上の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられていますが、お酒やたばこに関する年齢制限は、これまでどおり、法律上20歳となっていますので、「お酒は20歳になってから」を守りましょう。
問題2個人の方が土地や建物を売却すると、その所得に対し所得税が課税され確定申告が必要となります。これを分離譲渡所得といいますが、この譲渡所得にはいろいろな特例があり、納税額を減額できます。では、住んでいた自宅を売却した場合、譲渡所得から控除できる金額は次のうちどれでしょう。
①5,000万円まで
②3,000万円まで
③1,000万円まで
解答 ②3,000万円まで
正解の②は、一般的に、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例といいます。具体的には、「租税特別措置法第35条第1項」の規定により、居住していた自宅を売却した場合には、3,000万円までの控除が認められています。
また、①の5,000万円までの控除は、「租税特別措置法33条の4」の規定により、公共事業のために収用された不動産等の譲渡所得の控除になります。③の1,000万円までは「租税特別措置法第35条の2」に規定されている、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した不動産を売却した場合に、譲渡所得から控除できる金額です。
なお、特例を受けるためには、いろいろと要件がありますので、要件については、国税庁HPなどでご確認ください。
問題3現在、消費税では酒類・外食を除く飲食料品の譲渡は軽減税率が適用され8%の税率となっています。
コンビニエンスストアなどで売られている「食玩」と呼ばれている、いわゆるおまけ付きのお菓子も、一定の要件を満たせば、軽減税率の適用対象となりますが、この一定の要件の一つとして、全体の価格のうち、食料品である「お菓子」部分が一定の割合以上を占めないと軽減税率の適用対象から除かれます。
そこで問題です。軽減税率の適用を受ける場合、「食玩」全体の価格に占める「お菓子」の価格の割合は、次のうちどれでしょう?
①3分の1以上
②2分の1以上
③3分の2以上
解答 ③3分の2以上
おまけ付きお菓子や紅茶とティーカップのセットのように、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているものを「一体資産」といいます。
一体資産のうち、税抜価格が1万円以下で、かつ、一体資産の価格のうちに食品の価格の占める割合が3分の2以上の場合、その全体が軽減税率の対象となります。それ以外は食品も含めて全体が軽減税率の対象となりませんのでご注意ください。
問題4皆さんがお持ちのスマホやパソコンを活用して、金融機関や税務署に出向くことなく納付手続きができるのは、次の内どれでしょう。なお、正解が一つだけとは限りません。
①クレジットカードを利用して納付する
②インターネットバンキングを利用して納付する
③あらかじめ登録した預貯金口座から引き落としにより納付する
解答 ①、②、③ 全て正解
①の「クレジットカードを利用して納付する」方法は、スマホやパソコンから「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスし、クレジット会社を通じて納付する方法です。この場合、別途クレジット会社所定の手数料がかかります。
次に、②の「インターネットバンキングを利用して納付する」方法は、ご自身が契約されている金融機関のインターネットバンキングのメニューから、料金払い込みサービス「ペイジー」を利用して納付する方法です。
最後に、③の「あらかじめ登録した預貯金口座から引き落としにより納付する」方法は、「ダイレクト納付」と言います。ダイレクト納付は、e-Taxを利用して、事前に届出をした預貯金口座からの振替により納付する方法です。
なお、インターネットバンキングの契約は不要で、複数の預貯金口座を登録していただくことが可能ですので、例えば、源泉所得税や法人税など、税金の種類別に異なる預貯金口座を使用して、ダイレクト納付をご利用いただけます。
また、納付日を指定して納付できるため、例えば、毎月10日が納期限の源泉所得税など、納税の機会が多い方に特におすすめです。
問題5青色申告は、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳を行うことにより、様々な特典を受けることができる制度ですが、ある勧告が創設の基となっています。その勧告は次のうちどれでしょう。
①ジャパン勧告
②ブルー勧告
③シャウプ勧告
解答 ③シャウプ勧告
シャウプ勧告は、昭和24年(1949)年に、長期的・安定的な税制、均衡のとれた公平な税制を目指した、戦後税制の基本となる税務行政全般にわたる勧告です。
ちなみに、青色申告がなぜ青色になったのかについては、諸説ありますが、当時の申告書の色が青色だったということや、シャウプ勧告書を作成したカールシャウプ博士が、日本国内を視察中、当時の日本人に青色の印象を尋ねたところ、「青色は気持ちのよい色です。青空のようにすっきりした色ですからね。」という答えが返ってきたことなどと言われています。
問題6酒蔵の軒下に茶色の大きな玉が吊り下がっているのを見たことはありませんか?酒蔵にあるあの大きな玉は「杉玉」と呼ばれるもので、酒蔵ならではの意味が込められて飾られています。この「杉玉」に込められた意味とは次のうちどれでしょうか?
①新酒の仕込みが始まったことを知らせる目印
②新酒ができたことを知らせる目印
③お酒が売り切れたことを知らせる目印
解答 ②新酒ができたことを知らせる目印
杉玉の飾りは元々、奈良県にあるお酒の神様を祭っている大神(おおみわ)神社の風習だったといわれています。杉玉はおおむね春先に飾られ始めます。新酒の時期に飾られる杉玉は、まだ青々とした杉の葉っぱで作られているため、全体が緑色ですが、吊るされているなかで徐々に葉は枯れていき、茶色へと変化していきます。
このような色の変化は日本酒の熟成具合と比例しており、吊り下げたばかりの緑色なら新酒、薄い緑色なら夏酒、茶色ならひやおろしといったように、杉玉の色で旬となる日本酒を知ることができます。
問題7会社である法人には、法人税や消費税など、いろいろな税金が課税されていますが、第二次世界大戦中の昭和17(1942)年から戦後の昭和21(1946)年までの約4年間、電気またはガスの使用料金に対して電気ガス税という税金が課税されていました。
そこで問題です。ある施設で使用された電気ガスについてはこの税金の課税対象とされなかったのですが、その施設とは次のうちどれでしょうか?
①工場
②野球場
③旅館
解答 ①工場
電気ガス税は昭和17年に創設された税金で、電気またはガスの使用料金に対して10%の税率で課税されていました。戦費調達と消費の抑制を目的として住宅や娯楽などに用いる施設(旅館や野球場など)で使用された電気ガス料金については課税対象となっていましたが、戦時中という事もあり、工場や農業作業所といった生産力を支える施設については、その負担を軽減するため非課税となっていました。
電気ガス税は昭和21年に廃止され、国税としてはわずか数年しかありませんでした。
第二次世界大戦中にはこの他にも、広告税や馬券税のような短い期間だけ存在した税金がいくつか存在しています。